徒然なるままにGLANTS第五十三段 鋏の話⑨ セニング

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このハサミは俗に言うすきバサミです。

一度の開閉で20%くらいの髪の毛がすけます。このハサミは15年ほど使用しています。素材もモリブデンコバルト鋼と言う砥石では削れないくらい硬い超合金で出来ています。

触点は樹脂製で、広い触点に扇型に埋め込まれていますので、直視は出来ません。

このハサミもメーカー研磨20回まで耐えると言う話でしたが、購入後の15年間で1回も研いでいません。普通に使用して、手入れも特段何もせず、たまに注油 消毒 返り刃を取るくらいで、いまも新品同様に切れます。注油した時に時々触点が重くなり開閉がかったるくなりますから、そんなに頻繁には注油していません。しかしそれはどのハサミでも同じこと。拭いてやるだけで持ちなおします。

このハサミの寿命はおそらく200年くらいではないかなと思います(笑)良い道具に資金を投入し、出来ればそれも若いうちにですが、仕事を覚える若い時期ならそれこそ良い道具を使って欲しいと思います。初めだから安い道具で、とか、レベルに合わせて徐々にグレードアップさせていけば良い、とか、そう言う考え方はやめた方が良いと思います。安物の信頼できない道具を使っていると(よほどの達人は別ですが)半人前のうちは道具の良し悪しで結果が変わってきそうですし、難しい仕事でもハイグレードな道具ならもしかしたら成功できるかもしれません。

理美容師の道具は一生モノになるものが多く、若いうちに道具にも自分にも投資しておくと言うのはとても良いことだと思います。

 

 

This article was written by glan-ts